あらすじ
相変わらず、暑い日々が続いております・・・。
本日は夏季休暇を利用して、「夏の風物詩」・「星空」をテーマに写真を撮るため、遠方へ足を運んでみました。
せっかく星空を観測するのであれば、「満天の星」をみたいものです。
しかしながら、都内はほとんど照明(光害)に覆われているため、都心から距離をおかなければ「星空撮影」の条件が満たせません。
今回は、この条件を満たす千葉県の東浪見(とらみ)という地域にお邪魔しました。
こちらは、都内から電車でも行くことができる距離なので、車が無くても訪問が可能な地域となっております。
目的地
地図で見ると、列島の端っこですね。
最寄り駅から徒歩30分
目的地は千葉県一宮町の東浪見(とらみ)にある、「釣ヶ埼海岸」となります。
サーフィンのメッカでもありながら、「星空」が楽しめることでも有名です。
(※2020東京五輪が開催されていれば、サーフィンの競技会場になっていた場所のようです。)
最寄り駅からは海岸を目指し、徒歩で移動します。
この記事では、この海岸までの道のりと、日没後の夜景から明け方までを撮影する工程を記録します。
時刻21:44 最寄り駅から海岸へ
まずは、確実に星が観測できる20時以降の便で、東浪見駅に到着しました。
ご覧の通り、真っ暗でめっちゃ怖いです。
前日にホラーゲーム(SIREN)の動画を見ていたのが仇となりました・・・。
東浪見駅
東浪見駅:ホーム
その場の雰囲気からくる影響なのか、尿意が高まってきましたが、幸いこちらの駅にはとても綺麗なトイレがあったので助かりました。
気を取り直して、ここからは海岸へ徒歩で向かいます。
周囲は緑に覆われ、風情のある一軒家が建ち並び、田園が続いております。
田園を超えて海岸へ
移動で少し苦労した点としては都心と違い、街灯の数が少ないため、足元がみえず歩行しにくいことでした。
この点は、ヘッドライトを持ってきて正解でした。(車訪問の方が良いと思います・・・)
目も慣れてくると、徐々に夜目が利いてきます。
併せて、コオロギや鈴虫の鳴き声がよく聞こえるので、精神的な安らぎを得られますね。
徒歩で30分ほどかかったところで、現場につきました。
時刻22:35 海岸到着
この奥に、海岸があるようですが、相変わらず目先は真っ暗ですね・・・。
奥へ進むと、海岸は暗闇に隠れて見えないのですが、波の音からすぐ傍にあることがわかります。
駐車場もあり、比較的広いです(着替え中のサーファー多数)。
釣ヶ埼海岸は、この記事のヘッダー画像にあるように「鳥居」が建てられており、トレードマークになっています。
鳥居と思われる物陰に人が何人かいらっしゃるのがわかりました。
私と同じく写真を撮る人、海と星を見に来ている人たちが楽しんでいるようです。
そして、空を見上げると・・・。とんでもない数の星々の輝きが!!!
まさに星海
※右上の黄色い星は「火星」です。
都心では星が1~2個見えれば良い方ですが、まるでプラネタリウムのような満天の星空です。
さて、撮影するにあたり、準備を開始しますが、あまりに周囲が暗くて見えないので、ヘッドライトを焚きたいところです・・・。
が、周囲の方々のカメラ撮影に支障がでてしまうので、それは避けなければなりません。
なので、感光しにくい「赤灯モード」にして、カメラ機材のセッティングを開始しました。
暗所で三脚とカメラを設置
三脚を設置して、水平出しを行い、天体と鳥居にファインダーを向けて、シャッターを切ります。
天体写真を撮るうえで、気を付ければならないのは光害を避けることですが、街灯以外に気を付けるポイントがあります。
それが月光です。
ポートレートなどでは効果的な存在となりえますが、星空撮影に関しては露出オーバーで白飛びする原因となります。
今回は、事前に当日の「月の出」「月の入り」を調べておりました。
日時 | 月齢 | 月出 | 方位角 | 月入 |
---|---|---|---|---|
2020/8/13(木) | 23.4 | 23:52:37 | 64.0777 | 13:32:23 |
2020/8/14(金) | 24.4 | – | – | 15:31:26 |
2020/8/15(土) | 25.4 | 00:36:26 | 61:3135 | 15:30:21 |
この日は、14日(金)だったので、新月ではないことから、「月の出」を迎えてしまうと徐々に月明りが空を侵食するので、露出オーバーによって「星空」が撮りにくくなります。
「星空撮影」は「星の光のみ」という状態に持っていくことが重要なので、上図に照らし合わせると15日(土)00:36までの月がでていない時間帯が「星空撮影」に適した時間帯となります。
もう一つ、釣ヶ埼海岸に実際訪れて分かったことですが、周辺地域は照明が少ないため、「満天の星」が観測可能なのですが、星空撮影の観点としては鳥居の近くに街灯があるため、ファインダー内に光が差し込んでしまうので、露光の設定で難儀してしまう点です。
時刻23:47 星空撮影
そんなこんなで、各種条件を把握した上で「月光」の時間、「訪問客の車の照明」「施設内照明」をさけて撮影した写真がこちらとなります!
「鳥居」と「星空」の組み合わせが、とてもいい感じです。
夏季(夜でも30℃以上で暑い・・・)なので「夏の大三角形」がよく観えます!
- 【カメラ設定値】
- F値:2.0
- ISO感度:1600
- シャッター速度:10sec
大三角形は1等星で構成されております。
写真の星は加工ではなく、「ソフトフィルター」をレンズにつけておいたので、1等星のような強い光に「にじみ」を発生させることで強調され、「三角形」を綺麗に投影させることができました。
大三角形の星は以下の星で構成されております。
フォトショップで線を引いてみました。
「七夕」で有名な織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)が、天の川を挟んでいることがわかりますね!
時刻00:53 月の出以降
夢中で星空を撮っていると、あっという間に「月の出」の時間が来てしまいました・・・。
妖艶な光を放つ月が地平線から・・・。
水面の反射が夕日のようで綺麗です!
太陽とは違った情緒を感じます。
月が出てきました
星の動きと比較して、月はものすごい速度で上昇移動するので、ここからはやはり星空撮影に支障がでる月光の影響が目立ちました。
さて、現場では深夜帯から明け方まで絶え間なくいろんな人が入れ替わりで訪れておりました。
家族連れ、大学生グループ、サーファー仲間と思われる方々が、星々と流れ星に感動し、星に願いを唱えている姿は微笑ましいものがありました。
また「満天の星」だけでなく、「流れ星」も1時間に10数個確認でき、かなりの頻度で星が飛び交っていることがわかります。
ここからはしばらく、「月光」「街灯」を避けてアングルを変えながら、星空を撮り続けます、
時刻04:23 ブルーアワー
太陽が地平線に近づき、空が青みがかりました。
この時間帯になると、車の出入りが激しくなります。
どうやら、サーフィン目的の方が、早朝の波乗りを楽しみに訪れているようです。
地平線から出てきたときは、オレンジ色だった月は、真っ白な光に変化しています。
時刻05:57 日の出以降
地平線から太陽が出てきました。
この時間帯の海岸は鏡張りのような美しさを放ちます。
時刻06:07 朝になりました
すっかり、陽が昇り、とても暑くなりました・・・。
行きの真っ暗な道からは想像ができない、緑が豊かな田畑が広がります。
帰宅時の東浪見の田んぼ
徹夜での撮影で疲労困憊ですが、田園風景に癒されながら帰路につきました。
初の「星空撮影」でしたが、「惑星」「星雲」「天の川」など楽しめる要素がとても豊富で、「天体観測」をするだけでもお勧めなエリアでした!